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2010年8月31日 (火)

シャレで「UPHILL ONLY」と朱書き

以前手に入れたLEW VT-1 +B RIMで、前後16Hのホイールを組んだ。

フロントハブはtune mig45
リアハブがPowerTap SLの16Hである。もともとはPowerTap組み込みBontrager AeolusのOEM供給用として作られたもので、ハブ単体販売はない。

超軽量リム、しかも複数購入し一番軽い個体を選っての前後16本組み。
日本中探しても、こんな変態なホイールを使っている人はそうはおらんと思われる。一人だけかも知れん。絶滅危惧種としてレッドブック入りだな(笑)

勿論、見るからに強度ヤバそうなホイールである。

あっさり結論を述べると、これはもう他人には絶対に薦めない。

フロントのmig45はストレートプルスポークを使う(ストレートプルスポークは滅多に売っていないので、購買ルートを確保できない人は手を出してはいけないハブである)だけあって強度こそ意外なくらい出るが、ただ走るだけで何かが減っているような感じで回る「オレで10000km走ろうなんて夢にも思っちゃいけないよ」とハブ自身が教えているようなハブだ。神経質な人でないと使えない。「神経質な人は使えない」の間違いではナイ。劣化に気付かず使い続けたフロントホイールが走行中に突然破壊されたらどうなるかを考えれば分かる。この手の超軽量機材の使い手は神経質なくらいで丁度良いのだ)

リアなどは更に強烈で、R16H変則組みを軽量スポークでやる代償のデカさは最初から予想していたが、フレを取ってから再度フレるまで100kmもたない始末だ。かつてLightweightが販売していた「UPHILL ONLY」の過 激なホイール「L'Alpe d'Huez」(「ゴールするとき以外にブレーキを使用してはならない」のとんでもない注意書き付きホイール。現在は販売終了)も真っ青のUPHILL ONLYで、ウソみたいに簡単にフレる。たぶん許容体重も65kgくらいだと思う。自分の体重57〜8kgを前 提としてそれ以外の人のコトなんか一切考えずに組んだ関係で、それこそ体重70kgの人がパワーをかけたらグニャグニャにしなってしまうだろう。これはも うパワーライダー諸氏にはゴミのようなホイールだ。冗談のようにピークがすぐ過ぎるホイールで、

  1. タイヤを貼る
  2. 全力で走る
  3. 走り終わるとフレているのでタイヤを剥がしてフレ取り

のサイクルを何度も繰り返す。2010年の乗鞍も下り途中に一瞬の油断で乗り上げてしまった段差でフレてしまいl、下ってからチェックすると目視で5mmは横フレしていた。1回のフレ取り作業が1回の上り下り計40kmでパー。

70rpmでグイグイ踏み込んで350W出すのではなく、とにかく回す。乗鞍のコースで110rpm回して登ろうとするとんでもない人間のとんでもない設計思想で作られた、悪い意味で零戦(「行きすぎた軽量化によるアンバランス」「耐久性なし」「ひどく扱いづらいのを使い手がカバー」など)のようなホイールだ。

ロードレーサーの世界では「決戦用ホイール」なる単語が好きな人が特盛り居るが、このホイールに比べたらどんな「決戦用」も可愛いモンで、1000kmごとにOHしなければならない恐ろしくシビアなホイールでさえ、こいつに比べれば「10倍も耐久性がある馬車馬のような存在」だ。時間で見ると、組み上げ一回の寿命が薄羽蜻蛉の成虫とガチ勝負できそうなくらい短いのだから完全に常軌を逸している。将来的にはスポークパターン再度変更も視野に入れているが、それでも16本組みで根本的な解決は無理だろう。

伊達にPowerTap込み前後合計1100g切りじゃあナイ。
何かでかいモノを手に入れたければ、差し出すでかい代償が必要なのだ。
R20Hで耐久性は桁違いに変わるだろう。本当に桁が、それも2桁くらい変わるはずだ。今が酷すぎるから(苦笑)
だが現状で既にギリギリの1100切りはR20だと絶対ナイ。

僅か数十グラムで何か変わるのか?

変わる。

気持ちが。

「そこまでやった」「これ以上はない限界までやった」気持ちは“ここが鍔際だ”と思われる場面で確実に背中を押してくれる。今までも、いつもそうだった。「余裕を見て何かを譲ったモノに、本当にギリギリの鍔際を押し切れるモノなんてナイ」がワタシの持論。それは装備だけじゃない。トレーニングも同じ気持ちでやっている。

ま、結局、ヒーローはこのようなヤヤコシイことをしなくてもすんなり勝つ。それはヒーローにだけ許された格好いいコトであって、普通のオジサンが気合い入れるにはどこか「刃物の上に立つような切羽詰まった緊張感」がないとダメなだけなんだ、きっと(笑)。なんせ精神的慣性重量が重いからね。

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コメント

こんばんわ。
「わずか数十グラム」、考えさせられます。
私の持論は、尖がりすぎてアンバランスな機材は奇跡のバランスが発生しない限り、無難な機材に遥かに劣る。です。
20hで強度が2桁上がれば間違いなくそちらの機材で「戦い」に挑みます。戦いは奇跡ではなくて実力で勝ち取りたいので。どこでバランスしていると判断するかの問題かもしれませんが。

投稿: kouyou | 2010年9月 1日 (水) 00:19

はじめまして。 そのホンモノのチューンド感痺れますね! 是非ともホイールの写真見せて下さい。

投稿: ヒデ | 2010年9月 1日 (水) 17:24

たった1回の為のワンオフ製作、シビレマス。
F1もそうですがたった1回限りもてば良い奇跡的なバランスの基に作られていますよね。
だから憧れます。
自分には払う代償が大きすぎて無理なので。

投稿: K-MOTO | 2010年9月 2日 (木) 18:53

写真等近日公開予定です。
暫しお待ち下さい。

投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2010年9月 9日 (木) 04:35

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