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2010年12月18日 (土)

生きるための選択

最近の残念

OVAL Conceptsのラインナップが大幅整理され、トンガった製品が消滅したこと。

外部資本が入った時点である程度見えていたコトではあったが、いざそうなると「やっぱりか…」と残念だ。

売り続けてくれたからとワタシの資金では買えっこないのだけども、超弩級(値段的に)のエアロバーA911 Jetstreamなども通算何本売ったか分からないくらい寡数のみの出荷で絶版となった。たぶん「世界で一番高価な自転車用ハンドル」であった。新たに大々的にラインナップされたOEM丸出しのホイールなど鼻白むばかりで、正直「ああ、OVALは死んだ」と感じる。丁度ロゴも変更されたのは体を表していて相応しいとすら思う。

理想を追求する。

口にするのは簡単で、始めることも本気なら案外難しくないと思う。

が、それをずっと続けるのは物凄く難しい。

理想に燃えて起業したメーカーが消えていったり、いつの間にか現実と妥協し“生きていくための知恵を得て”行くさまを、長く生きた人ほど「イヤというほど見せつけられて」きた筈だ。

今やパワーメーター界の押しも押されもせぬ第一人者になり得たSRMだって、その道程の初期においては半ば以上に狂気の沙汰扱いされた筈なのだ。そんなもん研究者ならぬ一般人相手に売ってダレが買うんだアホ、と。

ただのホビーレーサーが当たり前の顔してSRM装着マシンでレースを走る日が来ると誰が予想した?

だが押し通して現実の方を変えた。
素晴らしいが、このような奇跡の成功例がそう数多くあるわけではない。

ほとんど別の会社になったに近い大幅な路線変更。志は潰えたかも知れない。でもOVALの起業、スリット入りフォーク(こちらは今回のラインナップ変更でも残ったが)を作ったり何十万円もするカスタムオーダーエアロバーを売り出したりする大胆なチャレンジは何人かの心に残っただろうし、魂的にその後を継ぐものはまた現れる。それにOVALだってまだ倒産したわけじゃない。「理想に生き理想に死す」ではなく「生きるための選択肢」を選んだわけだ。泥を飲んでも生き残るのだと。社内有志の心中には忸怩たる思いがあるだろうし、是非とも捲土重来を期して欲しい。

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