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2010年12月10日 (金)

相変わらずマニアック

ROTORのラインナップの細かさは時に恐れ入る。

いつの間にやら、クランクに165mmの選択肢が加わった。
Campagnoloには170mmより短いのがナイ。
SHIMANOはさすがに頑張っているが、それでもクランク長の選択肢はモデルチェンジの度にちょっとずつ狭まっている。時々カーボンで150mm台まで選べるメーカーもあったりするのでニッチを狙えるのは小回りが利く小規模メーカーならではの長所なのかも知れないが、165が売れ筋かと問われればノーだろうし、頑張ってるなと思う。メインの3DはBB30用の「plus」が出て、また2010限りで活動を終えたcervelo TestTeamがTTで使っていた円形スパイダーアームの「Aero」も出た。

VumaQuad用のQ-Ringsを出した時も感心したが、ROTORのマニアックなグッズがまた出ている。

「BSA30」BBだ。

これは

「BB30用のクランクセット(ROTOR 3D+)を、旧来BBフレームで使うためのスルーアクスルBB」

である。「はあぁ〜なるほどねぇ〜」と思った。BB30フレームでSHIMANO HOLLOWTECH II互換クランクを使うための、いわゆるプレスフィットBBはあった。各社から出ている。でも「逆」の製品って案外無かったよな、と。当然(?)ながらアクスルとBBカップ内側とのクリアランスはギリギリで、よくぞ商品化した、と思う。

注意点としては、当然ながらBB30専用の短いスピンドルを持つクランクセット(CannondaleのHollowgramやSPECIALIZEDのFACT)は、径こそ合っても軸長が不足する筈なので使えない。BB30とは68mm幅でベアリング内径30mmの規格であり、これ「専用」に作られたクランクセットは他のいかなる規格(BB86であるとかBB90であるとか)にも転用は不可能だ。Hollowgramクランクは伊達にQ-Factor 141mmではナイ(実際に組んでの実測では140mm未満!らしい)のだ。これは他社のスルーアクスル形式クランクと見比べれば分かるが傑出して狭い。BB30専用だからできたことで、幅68mmBBシェルの外側に更にベアリングカップが付くようなモノで満足の行く強度を出そうとする限り到底真似出来ない。

ROTORの3D+は「30mm径の長いスピンドルを持つスルーアクスルクランクに、内幅調整機構が備わっている」形式のため、BB30でも「BSA30」でも使うことができる。これはこのクランクがROTORとcerveloの共同開発によるBB30派生規格である「BB right」を本命として作られたせいだと思う。同じ理屈で、相当マニアックなクランクの一つであるLightning carbonのクランクもかなり色んなBBで使うことが出来る。30mm径のスピンドルを持ち、中央嵌合部にシムを挟む形式で内幅調整機構が備わっているからだ。

少々難しい話が続いた。

ROTORは本家(?)たるQ-Ringsで「シングルスピードMTB用」を出したりとこれまたマニアック路線驀進中だ。

相変わらず面白いメーカーだな。

どれだけ売れてるのか激しく謎のサドル「SD1」とか、致命的にハズしたとしか思えない商品もあるけどね。

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