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2011年2月20日 (日)

Alberto Contador 無罪放免

Alberto Contadorを巡るドーピング疑惑は、処分を任されたスペイン側が、処分として「2010年Le Tour de Franceの優勝剥奪と1年の出場停止」を言い渡したものの、Contador側の抗議を受け再審査を行っていた。

結果。

一切の処分なし。

理由がふるっている。

この処分白紙撤回は「Contadorがシロだから」ではない。
Contadorがシロだとは一切言及していない。
処分白紙撤回理由は

今回のドーピングチェックにおいて、スペイン国内法に鑑みて違法な手続きがあったから。

である。
Contador側が主張していた「中国産の、Clenbuterolに汚染された肉を食べたせいだ」については否定も肯定もしないままシロ・クロと無関係に処分撤回となった。いかにも「核心の、一番モメそうなヤバい部分には知らんぷりを決め込んだ」のが露骨な発表。

何とも不完全燃焼な結末。

核心部分はうやむやのまま手続き不備を突いての無罪放免は、まるで「O・J・シンプソン事件」のようだと感じた。もっとも、あれほど疑惑だらけだったAlejandro Valverdeも処分しなかったスペインValverdeにドーピングによる出場停止処分を下したのはイタリアである。スペインは最後まで疑惑にシカトを決め込み、むしろValverdeに擁護的であった)なので「予想できた結末」なのだが。

Contadorは既にレースシーンに復帰している。

2010シーズンの主力選手ほぼ全員に抜けられ、Contadorの超人的活躍にチームの行く末を託すほかない状態に陥っていたSAXOBANK SUNGARDのBjarne Riis監督はまさに胸をなで下ろした事だろう。もしContadorなしで2011シーズンを戦う羽目になったとしたら、チームに2012年があったとは思えない。(余談だが、Saxobankを一斉に抜けた選手主体で構成されたLEOPARD TREKに関してデンマークでの世評は「金のために裏切った彼らに相応しいチーム名は『チーム・ユダ』だ」などボロクソで、国民アンケートでは77%がRiis監督支持だったそうだ)

昨年末、Contadorは「もし疑惑が晴れたらGiro d'Italia、Le Tour de France、Vuelta a Espanaの同一年制覇を狙う」と公言していた。実現すれば、未だかつて誰一人として為し得ていない史上初の快挙(そもそも「三大グランツールを全て勝った選手」自体が、2011年現在Contador含め史上5人しかいない)となる。

本気かな?
本気で挑めば出来そうな気もするが。

そして最後に残る問題。
この「お咎めなし!」に、UCI他が「はいそうですか」とすんなり納得するとは思えないのだが…。

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コメント

ジロとヴェルタに出られたとしてツールに出られるか…。
それ以前にモメたことによるトレーニング不足は否めないような…。

投稿: yuwskey | 2011年2月20日 (日) 11:54

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