この場合、ダイヤモンドなのは製品じゃなくて志でしょ。
チェーンで有名なKMCが、X10SLに「DLC Red」を追加した。
McLarenとのコラボと、高いこと(笑)でも話題になった「SPECIALIZED McLaren Venge」の完車採用デビューだった筈だ。
DLCは、金属の表面加工に詳しい人なら何を今更の表面加工。なんせこのワタシでさえ何年も前から知っていたくらいだからな!(笑)
どう見ても意味のない(厳密には重くなる分だけマイナス!)赤塗装は、単にMcLaren Vengeのクロ/アカと合わせただけだと思う。「高い分だけ高級感出してみました」のもあるかも知れん。
表面加工ってのは結局ハゲるからどうかな?と思うが、ワタシのしょぼい知識ではDLCは表面加工として最強の部類だったような気がするので、チェーンの寿命(伸びてダメになる)くらいまでは保つんじゃないかな。
あとは、れっきとした消耗品に130ドルくらい払えるかどうかってコトだ。
たぶん、チェーンって値段無視したら今の技術でも既に相当いいもの作れるんだと思う。
ところが本当にやったら値段が無茶苦茶なコトになって「消耗品にそんな大金かけられねえぞバカヤロウ」となり、本当にこだわった良いモノは無理して世に出しても間違いなく全然売れず赤字の大失敗となる。このパラドックスから抜けられない製品だ。難しいよねホント。このようなハードボイルドな現実と戦っている技術者さん達には頭が下がる。
今回のこれも、相当大冒険だきっと。
70万以上するMcLaren Vengeを買ってもタイヤを偏摩耗するまで使いチェーンはケチったりするのが小金持ちの典型的行動パターンだ。ゆえにこの手の「高級消耗品」はたいていセールスで苦戦する。
しかし売れなければ“次”はますます出しにくくなり、そうして「所詮エンドユーザー共はモノがいいかどうかなんかまるでワカっちゃいなくて、安いかどうかしか見てねえ値札の奴隷なんだよ」って論理が最強になって、志ある技術者がクサってしまう。だから、かなり冒険して出してくれたこの製品も喜捨の気持ちで2本くらいは買おうと思う。今すぐは必要ないし使う機会もない(手元に新品のチェーンが10本以上ある!)から少し先にはなるけど。
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