« ULTEGRA Di2 6770 Debut | トップページ | RIDLEY NOAHの新型に見える方向性 »

2011年6月22日 (水)

単に数が減っただけの問題ではないと思う(又は焼き土下座注意報)

遂に正式お披露目となったULTEGRA Di2 6770で電動コンポの裾野は確実に広がる。
だが、全て万々歳!ではない。

  • 今までに販売された「Di2 Ready」フレームには、6770コンポは付かない。
  • いずれ販売が始まるに違いない「6770 Ready」フレームには、7970コンポは付かない。
  • ほとんどの非メカオタクエンドユーザーに、この非互換は高確率で意味不明である。
  • ジャンクション等ワイヤー関係の非互換は、販売店すらいざ組み付ける段になってウッカリ発覚があり得そうだ。

今回行われたワイヤーの仕様変更で一番鬱陶しいのは、Di2を使う上で、ワイヤーが外に出ないので外観がスマートでありトラブル防止の観点からも合理的であった筈の「Di2 Ready」フレームが“負の遺産”“黒歴史になりかねないことだ。

メーカーや販売店側としても、一本化できない在庫の発生、顧客への余計で分かりにくい説明、その後のクレーム可能性を産むわけで「なんちゅー鬱陶しいことをしてくれたんだ」が本音だと思う。ワタシがメーカーだったり販売店だったりしたら絶対に思う。当事者ならぬいちユーザーだから、いやそれどころか使っていないのでユーザーですらない(笑)から「これはいずれ困った事になるね…きっと」と観客席の観戦を決め込んでいられるだけのこと。

6770 Readyのフレームを作る。

お客さんが「いつかはDURA-ACE」のような事を考え、ちまちまと節約し貯金してRDだけ、FDだけを買い足して交換することは出来ないわけだ。6700>7900なら出来るのに、だ。しかもワイヤー内蔵が災いしてワイヤー交換が出来ない。

自転車店主は「済みませんが、それはフレームから買い換えないとダメなんです」

従前のDi2 Readyつまり7970仕様のフレームセットを買った顧客がいる。

おお、廉価版のULTEGRA Di2が発売されるじゃん。オレこれで十分やわ〜。と買ったら何と取り付けることが出来ない。「は!?Di2用のフレームなのにDi2付かないって、何なん!?」と、思うのではないか。

またも自転車店主は「済みませんが、それはDURA-ACE Di2の7970シリーズしか付かないんです」

等々、自分がそんなヘンテコ仕様にしたわけではないのに、あっちこっちで謝らなければならない。上位互換でも下位互換でもないためどうしようもない。

ワタシが当事者なら思うだろう。

「シマノ社員が今すぐここに飛んで来て、代わりに焼き土下座でもして謝りやがれ!」

と。
それはもう「売る側の事も考えろ!互換用の端子変換アダプタさっさと作らへんかったら堺の本社カチ込んでご自慢のHOLLOWTECH IIクランクでブン殴るぞゴラッ!」くらいの勢いで思うね、当事者なら。

ロードレーサー買う人がみんなメカオタクと考えるのは論理の飛躍を更に2段くらい飛び越えている。かのRoppongiExpress氏は、レース会場でプロレーサーからDi2のサテライトスイッチをして「そんなところで変速出来るものがあるんですか」と本気で驚かれ困惑した経験ありと本人談。かつてワタシが参加したとある試乗会では、全員それなりに高い自転車で来ていたが、誰一人O,SYMETRICax lightnessも知らなかった。VISTAペダルも誰一人知らなかったが、これは自転車の神も赦されることと思う(笑)

おかしなことではない。
みんながメカに詳しいわけではない、当たり前の現実だ。

詳しくないだけではなく、詳しくなろうと思ってさえいない人が沢山いる。つまり「走るのに興味はあるがメカには興味ない」と思っている人が。

トライアスロン系の人なんか更に温度差が激しくなって「…よく見たらチェーン錆び錆びやんコレ!」(苦笑)とか「まてまてまて!この自転車はハンドルが真っ直ぐ付いていないッ!!」とかの、基本的な整備もロクにできてない(物理的にできるできないではなく、やろうという気が根本的にナイ。必要と思ってすらいない)人が、お飾りマシンではなくレース会場で普通にいる。つまり、ずっとトヨタの乗用車を買い換えていて自分ではオイル交換もタイヤ交換もバッテリの液補充も交換も一度もしたことがないけど車は30年乗ってる人がいるのと似たようなノリだ。そんな人にも売るのが自転車だ。だから「詳しい人でないと意味が分からない非互換」は、そうとうマズイと思う。

どうなることやら。

※追記※
…と書いていたが、janさんの情報によると7970用のフレームに6770コンポは付くそうだ。ケーブルが変更され互換性がないとされているが、そうでもないのだろうか。6770の現物も見ていないので謎だが、付くとの情報があったので先ず追記させていただく。

※追記2※
コメントを拝見していると「ワイヤー類に互換性がない」は誤報(誤読)のようだ。それを見て(所詮末端ユーザーなので実物はまだ見ていない)書いた記事 なのだが「違う」だけで正解?海外の速報ではなく発表後の日本語記事を見てもコネクタが「小型化された」とある(cyclowired)が、小さくなったのに接続互換性がある?のだろうか。それとも実 はコネクタ同じ?コネクタの互換性さえ何とかすれば接続は出 来るだろうなと容易に想像は付くが、コネクタが小さくなった>接続非互換と見たのだけど、どうも違う(接続できる)らしい。来たる26日の内灘TTの会場には毎年SHIMANOの人がブースを出しているので、今年もあれば是非そのあたりを質問して真相を明らかにしたい。

|

« ULTEGRA Di2 6770 Debut | トップページ | RIDLEY NOAHの新型に見える方向性 »

コメント

「7970Di2 Ready」フレームに、6770コンポ「付きます」
6770専用フレームが出た場合には7970はケーブルが通せなくなる可能性がありますが。

投稿: jan | 2011年6月22日 (水) 00:47

ケーブルの変更は6770のほうが細くなったとのことなので、防水性などは分かりませんがケーブルは普通に通るはずですよ。

投稿: kt | 2011年6月22日 (水) 08:26

だからワイアードの電動は…。アンワイアードの電動が出るまで待つぞ私は…!
などと寝言を吐いてみたり。

しかし実現出来たとして発信側受信側共に電源が必要だということで重量的なメリットは…、無い…。
しかし実現出来たとしたら監督車から電波を飛ばして踏ませたいギアを強制的に踏ませることは…、出来る…!!(笑)

投稿: yuwskey | 2011年6月22日 (水) 18:17

いつも楽しく拝見させて頂いています。
個人的にシマノは互換性の問題を特に気にしていない様に思います。わざと互換性を無くして商売につなげようとしているようでもなさそうな…。
7900や6700系のブレーキの効き、チェーンについても、お知らせと対応表的なものはあっても、それ以上(レバー比を変えるようなパーツを出すとか)の対応は無いですし。

「互換性に捕われて進歩が止まってはダメだぜっ」とでも言っていそうな気もします。
そのうちサードパーティから変換コネクタや何かが出るのでしょうか。

まあ、電動コンポが安価で手に入るようになるのは歓迎します。

投稿: sdy | 2011年6月22日 (水) 19:40

なんか、すぐに7980(7990?)ケーブルが出てきそうですなぁ
「年々進化するD/A」
とか
「D/Aの進化は止まらない」
なんてキャッチフレーズと共に。
 
MTBのブレーキレバーシフターも無かったことになりつつある
シマノは黒歴史を恐れないチャレンジャーな会社とも言えますね。

投稿: ao | 2011年6月22日 (水) 23:53

採算度返しくらいの改良をして、ここまで叩かれたらシマノ社員びっくりでしょうね。
ワイヤー類は、細くなったので取り付けやすくなっているし。
接続箇所をまとめてあるので、メンテもやりやすい。
バッテリーは同じなので専用の取付位置になっているフレームも問題ないほど。
重さ以外では7970にしたらダウングレードなくらいですよ。ヽ(´▽`)/

投稿: ちわわ | 2011年6月23日 (木) 23:33

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 単に数が減っただけの問題ではないと思う(又は焼き土下座注意報):

« ULTEGRA Di2 6770 Debut | トップページ | RIDLEY NOAHの新型に見える方向性 »