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2011年7月26日 (火)

遂に…

多くの読者が既知の通り、Le Tour de France 2011は「遂に」が幾つも付いて終わった。

  • Cadel Evansが遂に総合優勝
  • Mark Cavendishが遂にMaillot Vert
  • Alberto Contadorのグランツール連勝が遂にストップ
  • Thor Hushovdが、Maillot Jauneも着てステージ2勝(TTTを合わせると3勝)するなど大活躍して「Maillot arc-en-cielの呪い」を解いた

である。他にもあるだろう。

Evansには心からおめでとうと思う。
ワタシけっこう好きな選手なのだ。才能がありながらもあと一歩で逃し、チームで孤立して移籍するなど苦労に苦労を重ね、34歳で遂に掴んだ総合優勝。TTのキレをきっちり取り戻していた2011は、シナリオ通りに最後の個人TTでSchleckブラザーズをぶっちぎってMaillot Jauneを奪った。TT得意であり人並み外れて低いポジションを特徴とするEvansをツールで勝たせるために開発されたと評していいtimemachine TT01の新型も、見事に仕事をしてEvansの力を引き出した。Evansはゴツい見た目を裏切る甲高い声の持ち主だが(笑)、記者会見の感極まった涙は美しかった。

Cavendishはやっと順当なMaillot Vert獲得。
いつも勝利数で一番でありつつMaillot Vertは逃してきたのでこれは嬉しいだろう。「勝ち星」だけなら既に誰にも文句は言わせないほどもぎ取っているのだから。les Champs-Elysees三連覇もさり気なく凄い。いかにも「誰が当代随一のスプリンターか」を見せつけて終わっている感じだ。Cavendishの今後がどうなるかは分からない。スプリンターって突然勝てなくなる時もあるし、彗星のように次の天才が現れる可能性もある。それを差し引いてもなお、毎年4勝か5勝ペースで積み上げるCavendishはまだ若いので、輪聖Eddy Merckx,の持つツール35勝の大記録を抜く可能性も出てきている。

Alberto Contadorのグランツール連勝が7でストップ。
彼も人間だった。Giro d'Italiaの疲れと度重なる落車には勝てず。久しぶりにハンガーノックになった姿も見られ、ある意味「生身のContador」が垣間見えた2011だった。次頑張れ。まだまだ黄金時代は続くさ。

Hushovdが魅せた。大柄選手でありながら山岳ステージで独走優勝するなど、今やスプリンターではない何かに進化した感じがある。「Maillot arc-en-cielを着てツールに出場した選手は活躍できない」有名なジンクス「Maillot arc-en-cielの呪い」など何処吹く風であった。Cavendishとは違うタイプの、華がある選手だな。

クソのような落車合戦を救ってくれたのは選手の走りだった。またもTTの弱点を克服できておらず総合は勝てなかったが、Andy Schleckが山岳を独走した走りも熱かった。Contadorが最後の逆転にかけ何度もアタックした姿も熱かった。最後のTTで順位を落としたが、Damiano Cunegoが終盤で意外といい位置につけていたのも面白かった。
いつだって熱い走りこそが観客を虜にする。

熱い走りをありがとう。
また来年。

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コメント

ヴォクレールにも一言いただけませんか? (笑)

投稿: kuribo | 2011年7月27日 (水) 05:16

kuribo さん、Voecklerネタについてはまた別に書きます(笑)

投稿: LIVESTRONG 9//26 | 2011年8月22日 (月) 19:24

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