HighRoad forever
スポンサー探しに難航していたHTC HighRoadだが、8月1日(チームが持つ優先的契約交渉期限が切れ、選手が自分で自由に来期の契約先を探す事ができるようになる解禁日)を過ぎてもスポンサーを得ることが出来ず、チームは解散を決定。選手・スタッフは全て放出されることとなった。
名門チームT・Mobileのスポンサー撤退を受けて結成されたHighRoad。
結成以来、2011年7月末までに実に486勝もしている(cyclowiredによる)そうだ。
もちろんこの間にそんなに勝ったチームは他に一つもない圧倒的数字。2011年のこれまでも暴れまくり、Le Tour de FranceでMaillot Vertを獲得したばかりの解散発表。チームが終わるまでには500勝に到達する可能性が十分あるが、何とも悲しい記録となりそうだ。DiscoveryChannelの時もそうだが、プロサイクリングチームの運営は本当に脆い。
コースの下調べでもHighRoadは他に比べ図抜けて入念で、レースにおいて「出走前に、他チームの選手がHighRoadの選手に『今日のコースはどんな塩梅か、危険な箇所はあるか』を聞きに行く光景」は珍しいものではなかったそうだ。
Cavendishの「勝ちまくり」も、完璧なメンバー構成によるHighRoad Trainのお陰であるのはレースに少し詳しい人なら誰でも知っていたコト。1km前ゲート時点で先頭をMatthew Gossが仕切り、ゴール前でMark Renshawの後ろにCavendishがつける展開が“方程式”で、このシナリオ通りに動けばそのステージは99%HighRoadのモノだった。
勝つための準備を誰よりもやり
勝つための体制を整えて
勝つ
机上の理屈では至ってシンプルだが、それを本当に徹底できるチームは歴史上でも数少ない。
最近ではFASSA BORTOLOが似ていると思う。カリスマ監督が指揮し、完成された体制で、やはり当代随一のスプリンターAlejandro Petacchiを擁して勝ちまくったが、スポンサー探しに頓挫してチーム解散となった。そしてFASSA BORTOLOがFabian CancellaraやIvan Bassoなど、後にスター選手として輝いた若手を何人も発掘し抱えていたように、HTC HighRoad出身の選手がこれから「元HighRoad」でキラ星のように輝く時代が来ると思う。
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