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2012年1月12日 (木)

銀河努力賞

Tacxが実は“e・MOTIONもどき”を作っている事をご存知だろうか?
Tacx GALAXIA T1100である。

T1100_galaxia_with_rider_11051

画像は全てTacx公式サイトから

もちろん例の二重フレーム構造はInside Ride社の特許でありELITEにライセンスされているキモ技術なので、まともな企業がパクるわけにはいかない。

そこで思案して、特許を回避するルートを見つけ出した。

スイングアーム方式である。

前は小さなコロで支え、後ろはスイングする脚で支えることで多少前後余裕を持たせた。後ろ足のスイング幅の分だけ前後する算段だ。

Werking

頑張ったね〜。

動きの軽さ、飛び出しにくさでe・MOTIONに敵うモノではないと思う。前後幅は圧倒的に少ないし動きの軽さ・スムーズさでもしっかりしたレール(メインフレーム)上をベアリング入りのコロで転がって前後するe・MOTIONと同じにするのは土台無理があり、勢いよくガシガシとダンシングしたら直ぐにキャパオーバーして飛び出してしまう可能性は高い。普通に乗っていてスムーズにしてくれる程度の働きは期待していいと思う。

モノに乗っていないのでインプレはできないが、

  1. 折り畳み機構はないが、Tacx十八番の伸縮フレームになっている。
  2. 実質Tacx ANTARESに少し部品が加わっただけの作りなので省スペース性や軽さ、搬送のしやすさでe・MOTIONを圧倒的に上回る。純正バッグまで用意されている。
  3. このスイング機構はe・MOTIONのメインフレーム相当部分を床面が担うため、平面がキッチリ出ていてかつツルツルの極めて良好な床面でないと理屈通りに機能しない。普通のアスファルト等の上に置いて乗ると機能低下するだけで済まず機構が傷む可能性が高い。
  4. オリジナルのInside Ride e・MOTION及びELITE e・MOTIONにある、左右の落下防止機構はない。左右にはいとも簡単に落ちる。
  5. 負荷装置がない。純正オプションのような形でも用意されない。これは本当に乗る人にとっては遅かれ早かれ致命的アキレス腱となる。
  6. 負荷装置がないのだけど、KREITLER KILLER HEADWINDは、切った張ったの相当な大工事なしには取り付けられない。Tacx ANTARESとほぼ同じフレーム形式なので同じ残念な点も引き継いでしまった。
  7. 三本ローラーとしてはかなり見た目オシャレ(笑)である。
  8. e・MOTIONより圧倒的に安い。

こんな感じか。

「話の種」としては面白いと思う。

だがそれ以上にはなれない。話の種に買うのはお大尽だ。

トレーニング機器としては、やはり負荷装置がなく追加するのもかなり困難なのがすぐ障害となるだろう。何の変哲も芸もないフレーム形式だと他社製の負荷装置を強引に取付けたり出来ることがある(ワタシがELITEのParabolic rollerにKREITLER KILLER HEADWINDを付けたように)のだが、なまじオシャレ(笑)な独特の形をした伸縮機構付きフレームを採用しているので後付けは非常に苦しい。このままでは「軽く脚をクルクル回す」用途だけにしか使えない。軽い。軽すぎるのだ。

三本ローラーには金言がある。

「負荷無しを買うといずれ必ず後悔する」

これは本当だと思う。最初は乗ってまともに回すだけで必死なので気が付かないが、走れるようになってくるとアウタートップでも全然負荷が軽すぎる事に気が付き「これではLSD用と割り切ってもなお支障がある」と愕然とする。トレーニング装置として考えた場合、負荷無しは絶対に後悔する。最初は分からなくても能力が向上してくるとあっという間に物足らなくなる。最低でも後付け負荷装置が取り付けられるものを選んだ方が後悔しないだろう。

全体的な評価としては「努力賞」な感じ。自分で買うかと聞かれたら、即答「買いません」この程度なら普通の三本にKILLER HEADWINDを付けた方がよっぽどトレーニング機器として“いい仕事”をするからだ。

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コメント

おっしゃるとおりですね。負荷装置のない三本ローラー、僕ももってますが、レース会場でのアップ専用になってます。T1100べらボーに安いので、一瞬購入しようかと思いましたが、負荷装置ないのでやめました。
現在自分が使ってるのはV-ARIONなのですが、e-motionの負荷はV-ARIONと同程度でしょうか?自分の実力だとV-ARIONで高回転ではもがけず550Wくらいで一杯(たぶんケーデンス120くらい)なので、より負荷がかけられるとよいのですが。KILLER HEADWINDとりつけ、ですかね?

投稿: MIK | 2012年1月12日 (木) 14:12

私の場合は愕然とするまで相当な時間が掛かりましたけどね(苦笑)二年以上…正味四年くらいかなぁ。

デカいチェーンリングを付けたローラー専用の自転車を用意するか、負荷機付きもしくは後付け可能なものを選ぶかの二択ですかね。

他の負荷を増す方法も知ってはいますが…、そして私はそれを試みましたが…危険を伴う方法なのでここでは伏せておきます。

投稿: yuwskey | 2012年1月12日 (木) 21:51

付けた人は居るみたいですね 
http://lockerz.com/s/176106132

投稿: 通りがかり | 2012年1月22日 (日) 21:57

3本ローラーはあくまでもペダリングスキル向上の為ですから負荷は不要でしょう。
もちろん、オプションとしてならあっても良かったかもしれませんが添付は不要です。
何せ室内トレーニングローラー台の負荷有りは固定に勝る物はないです。
現在販売されている物であればエリートやミノウラのマグネット方式でも問題ありません。

ということで負荷無し3本+固定で練習を分けるのが一番かと。
これでもイーモーションより安く置き場所も確保しやすいのです。


投稿: kour | 2012年1月23日 (月) 11:41

負荷装置は、着きます。MINOURA/ミノウラ 負荷装置(アクションマグローラー用)【3本ローラー付属品】の金具を削って、フレーム寸法に合わせればOKです。フレーム寸法はエリートのベロドローム三本ローラー台と全く同じです。私はベロドローム三本ローラー台にミノウラの負荷装置を付けて、さらに自作eモーションローラー化(笑) して使用しています。

投稿: くりぼー | 2012年2月16日 (木) 20:06

個人的には負荷着きのeモーションローラーが最強だと思います。タイヤが減るので専用のタイヤは是非とも必要ですが。

投稿: くりぼー | 2012年2月16日 (木) 20:09

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