レバー方式
Giro d'Italiaで大方の予想通りCampagnolo EPSのTT用コンポがデビュー。
ブルホーン用デュアルコントロールレバーは、SHIMANOのST-7971っぽい。スイッチの配置が違うだけ。これはいろいろ作ってみても結局このような感じに落ち着くのだと思う。製品化された時には少し形が違うかも知れない。SHIMANOも商品化するまでかなり試行錯誤していた。その当時の試作品の画像は当Blogにもある。
面白いなあと思ったのは、バーエンドシフターが“シフトレバー”方式であること。
ワイヤーシフト用よりも短いシフトレバーを上下させてシフト操作する。
SHIMANOのようにスイッチ直押しではなのだ。
アップスイッチ/ダウンスイッチ方式はシフトによって押す場所が違う。それに対してレバーだと同じものの操作方向でどちらにも操作できる。好みでいくとレバーが好きだが、人間工学的に見てエラーが少なかったり負担が少なかったりするのはどちらなのだろうか。SHIMANOがシフトアップ/ダウンのスイッチを「お互い形と高さが違う」ものにするまでもさぞかしイロイロ考えたことだろう。開発途中までは「ほとんど同じ形と高さのスイッチ2つ」だった。ワタシはSHIMANOのDi2(TT用コンポ。デュアルコントロールレバーではなく)で時々シフトアップ/ダウンを押し間違う。この最大要因は経験が浅くて練度が少ないせいだろうが、習熟が早かったり咄嗟に間違ったりしなかったりするのはこのようなレバーを用いたものとスイッチ直押しとではどちらだろう。
電動化のメリットとは、シフト操作がワイヤーを引っ張るストロークや力の軛を外れたことにより「純粋にシフトの使いやすさのみを追求したインターフェースを造形できる可能性を初めて与えられた」ことにも大いにあるはずだ。それはワイヤーでは出来ないことなのだ。SHIMANOがDi2開発当時に試行錯誤を繰り返したのも、いくらでも試せるからだ。ワイヤーシフトでは構造との兼ね合いで設計の自由度は極めて制限される。それはもう桁が違いすぎて「比較すんな馬鹿野郎」の世界だ。
便利さもともかく、機械的制約に縛られていたマンマシンインターフェースに対する新たな光としても電動シフトは作用すると思う。EPSも商品としてはまだまだ「???」な部分が少なくないが、Di2と切磋琢磨し世代を重ねるにつれお互いに新しいアイデアが生まれ、ワイヤーシフトでは考えられなかったものが出来上がってゆくことを両者に期待したい。
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コメント
んんー…。(ちょっと考える)
"ちょっと考えた"くらいだと、バーを握った時に親指が位置するところと人差し指が位置するところにボタンを配置して、親指だとシフトアップ、人差し指だとシフトダウン、のような方法が現状最適かなぁ、などと思ったり思わなかったり。
ただこれは、個々の持ち方によってボタンの位置が全く変わってしまうので、ボタンの位置をかなり広範囲に動かせなければならないという点で難があります…。ただし、記事でも触れられていますが、これはワイヤーではキッパリと100%不可能ですが電動なら可能ですね。
投稿: yuwskey | 2012年5月15日 (火) 01:41
はじまして。いつも楽しく拝見しています。
レバーですが、ワイヤーの頃のレバーに慣れていた人には朗報になるのではないでしょうか。
一考してみて下さい。
スイッチだと、指が押せる範囲から少しでもはみ出ていた時にタイムロスが発生すると思います。
しかし、私はどちらも好きです。
投稿: 通りすがりの新人 | 2012年6月 6日 (水) 07:35